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昨年からコツコツやってきた建築視察会(お勉強会)も、32回目になりました

2021-11-12
昨年からコツコツやってきた建築視察会(お勉強会)も、32回目になりました。

26回 7月3日 サーリネンとフィンランドの美しい建築展見学 パナソニック汐留美術館
27回 8月21日 国立近代建築資料館にて丹下健三展見学
28回 9月4日 古作 夏見台 本町4 渋谷区本町4 現在進行中の各現場視察
29回 9月25日 大東地質様から地質に関する講義 中野区中野1敷地見学
30回 10月2日 赤坂迎賓館見学 アンテスチュ日仏会館 国際文化会館

記念すべき第30回目は赤坂迎賓館でした。
緊急事態宣言解除後、初日の10月1日にはメンバー全員による久しぶりのお酒を飲みながらの食事会を行い、あくる日は迎賓館見学です。
赤坂迎賓館はコロナ禍もあり、ガラガラで、宮内庁の説明(ガイド)担当者も近寄ってきてくださり丁寧に説明をしてくださいました。
ほぼマンツーマンによるご説明でした。
先の大戦にもよく耐え残ってくれた建物に感謝です。
焼夷弾で、一部の屋根は燃えたそうですが、宮内庁職員の命がけの消化活動のおかげで今の状態を保つことが出来ました。
装飾部を、よーく見ると、兜や鳳凰があり、明治の設計者片山東熊がフランスベルサイユ宮殿を参考にしたものの、いたるところを和風にアレンジした箇所が見えてきます。

31回 10月9日 明治神宮ミュージアム 
32回目  11月5日  ついにスタッフ全員による泊りがけの大阪へ 安藤忠雄建築視察会

まずフランクロイドライト設計のヨドコウ迎賓館を見て、風の教会、六甲の集合住宅、兵庫県立美術館、神戸の一連の建築。
あくる日は心斎橋周辺の名建築を視察し、ラストは梅田スカイビル。
つくづく思います 建築バカな私がスタッフにも同じ感覚をいだいてほしいと願いながら続けてきました。
私が若いころ、ずっと名建築を見ながらデザインへのエネルギーをためてきた時代があり、それが今の私を動かしています。
この道は修行です。今思うと楽しい修行・苦行だったと思います。
35歳の若さで安藤忠雄という建築家が「住吉の長屋」という小さな住宅で新人賞を受賞し、講演会で見たときの安藤さんの迫力に圧倒され、私は20代の時に安藤忠雄に触発され誰もやったことがないことがしたい。初めて経験するドキドキ感、今でも覚えています。
あの時の20代の時に見た安藤建築とは今回また違う発見があり、30代、40代、50代、と受け取る側の知識が深くなる分、見方も変わってきます。
そういう意味で、コルビジェが言った「建築は60歳からはじまる」は今、よーくわかります。
何もデザインさせてもらえなかった苦行だった20代があり、それでもほんのちょっとだけ自分の案を入れた図面があり「最後の1%が建築の全体を支配する」といった村野藤吾の言葉に救われた20代があり、デザインやディテールでピンチになって悩む時、それを助けてくれたのが先人たちの名建築でした。
また、今回大きなエネルギーをもらった感じがしました。

6月19日 第25回建築視察会

2021-06-19
6月19日 第25回建築視察会

国立近代美術館 隈研吾展見学

緊急事態宣言中にもかかわらず、かなり人出も多く、人数制限されながらの鑑賞になりました
おまけに雨。

正直、私自身は何度も見た隈さんの作品なので、感動が薄かったのが残念でした。
若いメンバーには新鮮だったのでしょう。
見学者のほとんどが20代の若い人達、おそらくは学生たち、で一杯でした。
誰もが隈さんのようになれると信じて、建築の勉強をしているのでしょう。
夢があっていいなぁと思いつつ、現実は厳しいぞ、と言ってあげたい。
はたして隈さんは今の姿が若いころの目標だったのでしょうか?
一度聞いてみたいとおもうところです。

約30年前、ドーリックやM2ビルを作っていたころ、今の仕事っぷりというか、
日本を代表する巨大な建築を設計している未来がみえていただろうか?
これからの晩年はどう変化していくのか?
自分の殻をさらに一枚脱いだデザインをしたいと考えているのか?
もう、充分、おなか一杯という感じなのか? 
日々苦悩しているのだろうか?
大きいお仕事が続くと小さいお仕事ができなくなる不安はあるのだろうか?
事務所が大所帯になると、興味はあるが小規模な建物ができなくなる現実があります。
もうそんな問題すら、感じないほど、私とは別世界に、行ってしまったのか?
30年前M2ビル竣工パーティー時にお会いし、お酒を交わした時に感じたギラギラした印象が、今は、全く感じない人柄に変わった気がします。
年齢がそうさせるのか?
VTRを見た限り、人柄の良さは今も変わらない。

夕方雨脚が強くなってきて、こういう残念な日もたまにある。
早く帰って、休養をとることにしました。

6月5日 第24回建築視察会

2021-06-05
6月5日 第24回建築視察会

前川国男邸見学

コロナ禍の中、晴天に恵まれ、江戸東京たてもの園まで、前川国男邸見学してきました。
たくさんの建物がありましたが、前川国男と堀口捨巳の設計した建物のみ見学する弾丸ツアーです。
園内放送でしきりに、「2m以上の間隔をあけてください」というアナウンスが流れています。

建築視察は何回行っても、常に新しい発見があります。        
おそらくこの名建築は4回は見ていると思います。ですがまた新しい発見がありました。

コルビジェ曰く、「住宅は住むための機械である」
それを実証するようなディテールがてんこもりです。
今日は雨戸の戸袋自体が回転しそれが雨戸に変身することを発見しました。
不思議なところに丁番があったので、よくよく見ると戸袋自体が90度回転するようになっていました。
まさに機械のような建築とはこういうことです。
飛行機や自動車よりもっとはるかに精密な性能を要するのが住宅の機能のようにさえ思える。
プロポーションの美しさも、相当時間をかけて練られたに違いない。

また基本に戻って、新たな気持ちで机に向かえるように気合を注入された一日となりました。

5月15日 第23回建築視察会

2021-05-15
5月15日 第23回建築視察会

清家清邸 約40年ぶりに訪れました

ひっそりと建っていました。
大田区雪谷です。
今は文化庁から登録有形文化財の指定を受けています。
1954年完成ですから、私より年配になります。


鯉のぼりがあるので、お孫さんがいらっしゃるのでしょう。
約40年前、20代の建築青年だった私が、清家先生にお手紙を出して、返事をお頂いて、伺いました。
そして、有名な「私の家」を見学させていただきました。
扉のないトイレや移動畳など、それまで雑誌でしか見れなかったものが、今、目の前にある感動で、興奮したものです。

大木の前で、清家先生とお茶を頂いた事を昨日のように覚えています。
そして植田実さんという写真家の方がいらしていて、お茶をご一緒できたことは光栄でした。
あの時も、この建築は将来どうなっていくんでしょう?残したいですね?と聞いた記憶があります。
若かりし私はこの「私の家」のトイに葉っぱが詰まっていたのがわかったので、屋根によじ登ってその葉っぱを取ったものでした。
清家先生は「危ないから」と制止をされましたが、御恩返しに何かしたいと思ったのでしょう。
当時、そんなことくらいしかできない、思いつかない幼い自分でした。

あれから40年ですが、この名建築は残っています。
今は使われてはいない様子でしたが、お庭も広く、もったいないです。
自分もこの建築のように、恥じないように後世に何が残せるのか?
スケッチしながら、感慨深い気持ちになりました。

帰り際、窓から顔を出された清家先生の息子さんから「あまり人の家の中見ないで」と釘をさされましたが。笑



バリ島にて、戸建てPJリモート監理で施工中

2021-05-14
バリ島にて、戸建てPJリモート監理で施工中

コロナ禍において昨年春、完成出来た在デンパサール日本国総領事館に続き、今違う場所にて高級戸建て計画が施工中です。
コロナ禍前からの計画であり、すでにあった建物を解体したという経緯もあり、今更止めるわけにもいかず、
まさかこんなにひどい状況になるとは思えずに今に至っています。

平屋の計画なのでもう上棟し、これから仕上げ工事に入っていく段階です。
リモート監理です。
写真や動画だけでの監理しかできませんが、それでもなんとかいい感じに仕上がっているのはないか、と思っています。

この計画はプールがあり、サロンがあり、ダイニングがあり、メイド室やドライバーさんの部屋やガードマン室など、いろんな部屋があり、
まったく日本とは違っています。
設計方法は日本のようにカタログもないし、すべてが一品生産の建築計画です。
だから面白いのですが、期待以上の時もあればそれ以下の時もある。
造られる過程はまるで50年前の日本のようなイメージでしょうか? 
わくわくしながら建物が出来上がっていくという感覚は今の日本で感じることが難しい。

しかしYKKやダイケンやダイキンなど、さすがはジャパンブランドで、精度は高い。
中国製は安いが頻繁に壊れます。
重要な部分は日本ブランドで作られます。
ですからコストも多少、高くなります。
それでも、完成してからのメンテや安心感を考えると、ジャパンブランドの方が良いという判断がクライアント側にあります。

日本人とは?日本気質とは? 考えさせられます。
正直で嘘はつかず、約束は守る。
私にとっては当たり前のことですが、世界では必ずしもそうではないようです。
当たり前だと思っていたことが実は他者に感動を与えていた事だったりする。


建築は面白い

久しぶりに楽しめる

まさに

ザ・ケンチク



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