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5月21日 日の出設備本社ビル グッドデザイン賞に応募しました
2025-05-21
ーこのPJの始まり・背景ー
事業の拡大に伴う本社機能一部移転に伴い、事業主の日の出設備株式会社、大矢社長からの要望があり、このPJが始まった。
それは、非常時でも地域に貢献でき、社員が楽しく、誇りをもって働ける建物にしたいというものだった。
しかも、本社機能もあり、食堂付き社員寮もあり、ジムのスペースも完備し、最上階にはご両親である会長宅もある複雑な用途であった。
天気の良い日は富士山も見える屋上の広いルーフテラスで、社員とバーベキューを楽しみたい。
ー経緯とその背景ー
日の出設備社長から、存在感があり社員たちが誇りが持てて、自慢できるような本社を作ってほしい。
そして社員たちから愛されている会長ご夫婦も高齢になり心配なので、会社のそばにいてほしいという要望であった。
ーデザイナーの想いー
上下水道工事とは時には汚水をも扱うお仕事で、今の若い人達からは敬遠されがちな職種であるが、それを吹き消すくらい胸を張って社会・会社に貢献できる場にしたかった。
意匠的(外観的)に設備類は常に見えないところに配置されます。
天井裏だったり、パイプスペースだったり、道路から見えない裏側だったり、とにかく目立たぬように計画されるのが設備です。
常に裏方、脇役的存在です。目立たない存在ですが、重要な機能、存在、役割です。
見えないから手を抜いてもいい理由(わけ)ではありません。
見えないところだからこそしっかりと作り込まないといけません。
そういう実直な性質をデザインにどう反映させるか?過度なお化粧を避けて、素のまま、素材本来の力をそのまま表す。しかも街角に位置する広告塔としての役割も果たす存在感のある建物、
天井裏だったり、パイプスペースだったり、道路から見えない裏側だったり、とにかく目立たぬように計画されるのが設備です。
常に裏方、脇役的存在です。目立たない存在ですが、重要な機能、存在、役割です。
見えないから手を抜いてもいい理由(わけ)ではありません。
見えないところだからこそしっかりと作り込まないといけません。
そういう実直な性質をデザインにどう反映させるか?過度なお化粧を避けて、素のまま、素材本来の力をそのまま表す。しかも街角に位置する広告塔としての役割も果たす存在感のある建物、
それがテーマ、コンセプトです。
「おもしろくないものでおもしろいものを作る」利休や数寄屋建築に通じる感性ですが、遠くから見ると一見、工場か倉庫にしか見えない建物が、距離を変えて近づいていくと、見えなかったものが見えてくる。
「ディテールに神が宿る」ミース・ファンデル・ローエの言葉にあるように、作り手の魂が伝わってくるような建築にしたかった。
ー企画・開発の意義ー
震災など非常時には、地域の避難民の支援となる拠点にならなければならない。
上下水道工事業者はまず先に地域住民のためにインフラの整備に尽力を果たさねばならない。
自家発電機をもち、井戸水をもち、避難時には駐車場を含め上階にも一時的に多くの避難民を収容できる施設にする。
ー創意工夫ー
建築の外観デザインはコスト面的にも極力シンプルな形状でまとめたい。
複雑な用途であるがゆえの必要な機能があり、例えば従業員や会社関係者の出入り口とお客様と会長宅の4種類の建物への入り方がある。
それぞれに対応するセキュリティを考えねばならない。
正面玄関と裏口に分け、かつエレベーターを階制御し、高齢になる会長宅の防犯を最重要課題とした。
将来的なメンテナンス費用を考慮した堅牢で実直・清貧な建物を要望されているので、金物は錆びないように溶融亜鉛メッキ(リン酸処理)の角パイプと、コンクリート打ち放し(着色仕上げ)を採用し、素のままのスチール製カーテンウオール状の角パイプルーバーで建物全体を囲い、各階の広いバルコニーは社員たちの憩いの場になれるようにした。
5月13日 ー美味しい和食屋さんで見かけた光景ー
2025-05-12
ー美味しい和食屋さんで見かけた光景ー
5月12日の 「三つ子の魂、百まで」は本当に実現されるのか、という前回のブログを読んでいて思い出しました。
5月8日の「波濤」のブログの追伸になります。
カウンターの向こう側、お弟子さんが大将の技を見ながら学ぶ姿が、まさに昭和の師匠と弟子の関係を彷彿させます。
そのお弟子さんは、坊主頭で髪がありません。まるで修行僧のようです。
修行中の身である彼は、仕事を覚えることに全集中しているのでしょう。
大将が「体が止まっているぞ、仕事は自分で探せ!」と檄を飛ばします。
これも、料理を提供する以外のパフォーマンスとしての演出サービスなのでしょう。
普段、食事をしながら緊張感を味わうことはあまりありませんが、この店では違います。
命をいただく行為にこちらも気を引き締め、全集中です。
お弟子さんもまた、その緊張感の中で自分の仕事を探します。
たとえば、私が水割りを飲んでいると、コップをテーブルに置くたびに、サッと取り上げ、コップの水滴を拭いて元に戻してくれます。
私の真後ろに常に立っていて、トイレに行こうとすると察して椅子を引き、案内までしてくれる。
戻ると、カウンターはきれいに整えられ、新しいおしぼりが手渡されます。
私の次の行動を先読みし、完璧なサービスを提供してくれるのです。
しかし、彼が包丁を持たされる日は一体いつになるのでしょうか。
(この店に入って3か月になると言っていましたが)
怖くて尋ねることはできませんでした。
「頑張ってよ」と声をかけると、彼は笑顔で「忍耐力には自信がありますので」と答えてくれました。
その言葉の裏には強い覚悟が感じられます。坊主頭はその証でしょう。
修行とは長い道のりです。どの道も同じです。
簡単に習得できるものであれば、誰も坊主頭にはなりません。
この若い人が幸せそうに見えました。
なぜなら、自分の進むべき道を見つけているからです。
5月12日の 「三つ子の魂、百まで」は本当に実現されるのか、という前回のブログを読んでいて思い出しました。
5月8日の「波濤」のブログの追伸になります。
カウンターの向こう側、お弟子さんが大将の技を見ながら学ぶ姿が、まさに昭和の師匠と弟子の関係を彷彿させます。
そのお弟子さんは、坊主頭で髪がありません。まるで修行僧のようです。
修行中の身である彼は、仕事を覚えることに全集中しているのでしょう。
大将が「体が止まっているぞ、仕事は自分で探せ!」と檄を飛ばします。
これも、料理を提供する以外のパフォーマンスとしての演出サービスなのでしょう。
普段、食事をしながら緊張感を味わうことはあまりありませんが、この店では違います。
命をいただく行為にこちらも気を引き締め、全集中です。
お弟子さんもまた、その緊張感の中で自分の仕事を探します。
たとえば、私が水割りを飲んでいると、コップをテーブルに置くたびに、サッと取り上げ、コップの水滴を拭いて元に戻してくれます。
私の真後ろに常に立っていて、トイレに行こうとすると察して椅子を引き、案内までしてくれる。
戻ると、カウンターはきれいに整えられ、新しいおしぼりが手渡されます。
私の次の行動を先読みし、完璧なサービスを提供してくれるのです。
しかし、彼が包丁を持たされる日は一体いつになるのでしょうか。
(この店に入って3か月になると言っていましたが)
怖くて尋ねることはできませんでした。
「頑張ってよ」と声をかけると、彼は笑顔で「忍耐力には自信がありますので」と答えてくれました。
その言葉の裏には強い覚悟が感じられます。坊主頭はその証でしょう。
修行とは長い道のりです。どの道も同じです。
簡単に習得できるものであれば、誰も坊主頭にはなりません。
この若い人が幸せそうに見えました。
なぜなら、自分の進むべき道を見つけているからです。
曽我 透
5月12日 「三つ子の魂、百まで」は本当に実現されるのか
2025-05-12

設備設計リーダーから二回目の投稿になります。
「三つ子の魂、百まで」は本当に実現されるのか
「三つ子の魂百まで」ということわざを、皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。幼い頃、特に3歳頃に形成された性格や気質、そしてその時に刷り込まれた習慣や価値観は、大人になっても変わらないという意味でよく使われます。
私の出身校の先輩であり、船橋市内で幼稚園と保育園を経営する理事長からも、「幼い頃に学び、経験することは将来に大きな影響を与えるから大切にしなさい」と言われたことがあります。
昨年末、新事務所に引っ越してからは近所ということもあり、休日に長男を連れて採用メールの確認などで立ち寄ることがありました。まだ幼い彼は絵本が好きですが、なぜか代表が大切にしている有名建築の本に夢中になっていました。
私は電気設計の仕事をしているため、三人のうち一人くらいは電気関係に進んでくれればいろいろ教えられるのに…と思いつつも、インフラ設備は重要であっても、やはり花形は意匠設計なのかと、親バカな想像を膨らませていました。
「三つ子の魂、百まで」が本当に実証されるのは、おそらく20年以上先の話でしょう。有名建築の本を眺めていたこと、私の仕事ぶりを見ていたこと、時々会社に来て建築に触れていたことが、彼の将来にどう影響するかはまだ分かりません。
ただ、その結果をこのブログで報告できる日が来ることを楽しみにしています。それまでに、会社を今以上に成長させ、現役を続けながら皆さんにお伝えできればと思っています。
S.A.
私の見解
ここからは私の個人的な見解です。
お子さんが、何をきっかけに人生が変わるのかは分かりません。ただ、一生懸命になれるものを見つけられたなら、その人は幸せです。
「何のために生まれて、何をして生きるのか?」
これは、今朝の連続ドラマ「あんぱん」で繰り返し語られている崇のおじさんのセリフ(アンパンマンのテーマ曲のセリフ)です。
夢中になれることを見つける。それは簡単そうに見えて、とても難しいことです。
その夢中になれることが、お金になるのか?それで生活できるのか?
最低限の収入を得られれば良しですが、現実には好きなことが必ずしも収入に直結するとは限りません。
建築という分野は、芸術的な要素が多く、すべてが工学的なアプローチではありません。私の友人の中にも、建築が好きでありながら、建築設計をしないという人もいます。
「法律やコスト、クライアントへの配慮に縛られる設計は、生活の奴隷になることだ」と彼は言います。確かにその考えも理解できます。
現在、TOTOギャラリー・間では「篠原一男 空間に永遠を刻む - 生誕百年 100の問い」という展覧会が開催されています。
篠原先生は「設計作業には多くの時間がかかり、収入にはつながりにくい。だからこそ芸術と呼べるのだ」と語っています。
子どもたちには、できるだけ早いうちに、親に養われている間にデザインに没頭し、成長とともに失恋や失敗、挫折などの経験を積んでほしい。
そして、現実を知りながらも、バランスの取れた設計士へと成長してくれることを願っています。
曽我 透
5月8日 「波濤」
2025-05-08
「波濤」
先週のお寿司屋さんでの出来事を紹介します。
偶然座ったカウンター席で、隣に座ったシニアの男性(私より10歳は年上のように見えました)が、こう話しかけてきました。
「先週さ、前澤と釣りに行ったんだけど、全然釣れなかったよ。」
もちろん、前澤友作さんのことです。
続けて彼はこう話しました。
「安倍(元総理)さんの月命日ってのがあってさ、世耕さんが行ってんのよ。そこに、安倍さんの秘書だった初村が、今は世耕さんの秘書をやってるんだよね。安倍は学生時代、剣道部で、俺の2つ下の後輩でさ。落選中(第一次安倍政権後のことだろう)、いろいろ食事に連れて行ってやって、慰めて、可愛がったもんだよ。」
この男性はいったい何者なのだろう? しかし、この店は予約が取れない一見さんお断りのお寿司屋さん。そんな場所にいるのだから、きっと本物なのだろう。
たまたま同じカウンターに座り、ほろ酔い気分で話しかけてくる気さくな叔父さん。しかし、その話のスケールがあまりに大きい。これが、この店の常連客たちなのかもしれません。
実は先月も似たようなことがありました。
S戸さんとの食事会で、偶然カウンターに同席した二人連れのお客様が、なんと上場企業の社長でした。
その社長はS戸さんを見つけると、こう声をかけました。
「S戸さんじゃないですか? 久しぶりです。ここでお会いできるとは光栄です。」
その瞬間、店内の話し声は一気に小さくなりました。
こういった出来事が起きないようにと、あまり人に会わない静かな店(ミシュラン☆2)を選んだつもりだったのですが、それでも予期せぬ出会いが起きるのです。
食の知識や意識の高い方々は「フーディー」や「フーディスト」と呼ばれることがあります。お酒、たばこ、コーヒーといった嗜好品も含め、一度高いレベルを知ってしまうと、その水準を下げることができません。常に「もっと美味しいもの」を探し求めるのです。
年を重ねると、あと何回美味しい食事ができるのかを考えざるを得ません。
80歳になってからでは、もう十分に食事を楽しめないかもしれない。実際、先週のお寿司屋さんでも、杖をついた80歳くらいの男性が途中でお腹がいっぱいになり、食事を残してしまい、がっかりしている様子でした。
もし週に一回だけ美味しいご飯を食べに行くとしたら、あと10年で521回。つまり、あと約500回しか食事を楽しめないことになります。
こう考えると、一回一回の夕食が非常に貴重に感じられます。その瞬間を大切にし、感謝しながらいただこうと思う――その気持ちこそが幸せなのです。
曽我 透
4月28日 想いが入った建物の竣工
2025-04-28
◇想いが入った建物の竣工
私は設備設計リーダーとして、主に電気設備設計と設備全般に関する設計監理をしています。
当社に転職してから、人々に恵まれ環境にも恵まれ、そして何よりも今の40代の自分を形作る“仕事”にも恵まれたと大きく感じる時を迎えられました。
元は電気施工管理という現場畑でマンションと保育園ばかりを竣工していたところに、代表に声がけしてもらい設計へ転向し、80戸以上となる中規模RCマンションという、自火報など当たり前の消防設備がある得意としていた設計を手掛けることができました。
実は転職したばかりのころは10戸~15戸のアンダー10=半地下+5階建ての、自分が今まで施工してきたことがないマンションばかり、、、
狭くて施工は大変そうですが、電気設備設計はいつもの標準スタンダードに倣ってパーツを当てはめていくような感じで、ルートはとにかく狭く細いところを縫うように通して、いつも似たような決まった形の図面がなぜか出来上がるというシステムのような作業でした。
そこへ転職してから半年たったころに当社へ計画の相談が持ち込まれて、ようやく手ごわいと思う反面ワクワクする作図ができると、忙しいのにやる気に満ちたことを思い出します。
その初めての電気設計作品と言えるような建物が竣工し、自分が少しでも生み出したとまわりに言えるのかなぁと実感に浸ることができました。
夏見にあるLIXILショールームの横!ドラッグ店ウェルシアの向かい!
誰か気づいた人に見てもらい、興味があればインスタグラムに内装動画もあるのでクリックしてください!
S.A.