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第五回目 建築視察
ここは「農業」「食」「アート」を軸とした複合施設で音楽プロデューサー小林武史氏が代表を務める株式会社KURKKUが手がけています。
約9万坪の広大な農場で、多くの野菜、家畜を飼育。食を通じて、これからの人や社会の豊かさを提案していくというコンセプトです。
「コロナ対策で休園中」の看板が質素に掛かってました。
そりゃそうだと思いながらも昨日ネットで調べたんですが開業している事をしらべてきただけに(急な対策だったのでしょう)残念しかたなく、いくつかの建物を外から眺めて帰る事にしました。
ただの木造では無く、木その物を全面に見せることで自然との共存、調和を伝えている気がしました。中村好文さんの建築らしい出来栄えです。
敷地は高低差が激しく元々の大地の形状をそのまま利用しています。
建物は屋根が波を打った様な形状をしていたり、複雑な形状をしていたりしますが、高低差のある段々の敷地に上手に調和していました。
珪藻土の仕上げも相まって自然の中に建物が溶け込んでいました。久住章さんと言って有名な左官職人によるデザインです。
残念ながら休園している為に、あまり建物を見る事は出来ません。そろそろ移動する事にします。今から次に向かうのは幕張です。
各パティオスはガイドラインに基づいて設計されており、街のアイデンティティとなる街並み、街全体の調和をとりつつそれぞれの街区に個性的で色鮮やかなデザインを採用し、階数ごとにデザインの調整を行い、中央に憩いのスペースとなるパティオ(中庭)を設けたヨーロッパスタイルの集合住宅となっています。
各社が、ガイドライン内で競い合い、オリジナリティを発揮しています。人によって評価は様々だと思います。共同住宅を設計する立場からすると、沢山のヒントや刺激があります。あと数回足を運んでみようと思います。
中でも「幕張ベイタウン パティオス11番街」がとても美しく目を引きました。
設計はスティーブン・ホールアーキテクツ+曽根幸一+KAJIMA DESIGNです。
アメリカ的なデザイン要素があって、尚且つ周りと調和が取れている美しい建物です。
正方形の開口部か連続して並んでいるファサードが美しいです。
席に着いた頃、仕事上の心労により、急に社長の血圧が高くなり、腕をマッサージしたり・・・・検査済がおりるか?否か?この業種特有の心配だそうです。
しかし残念ながら精神的な問題なので、体調不良は回復せず、大事を取って本日は帰社する事になりました。
第四回目 建築視察
第4回目 建築視察
春花園 盆栽美術館
毎年暮れの木村建設工業株式会社様の忘年会で拝見する1億円の盆栽があります
盆栽もいいのですが、この春花園の建物がいいのです。
天井の仕上げには滅多に見る事が出来ない約10m近くあります天然木の一枚板です。
また、真・行・草 それぞれに格式にあった設えが施してあります
茶のお点前もいただけます。残念なことに、ほぼ見学者全員が外国人です。
日本の良さは日本人には分からなくても外国人が知っている、興味を持ってくれているのだと思います。
あの俳優のレオナルド・ディカプリオ、キャメロン・ディアスも訪れていました。
庭園内には茶室がありました。
普段の設計ですと法規的な事から階高を少しでも抑えて、天井高さは少しでも高くしたいために逆梁にしたり、出来るだけ梁成を抑えて欲しいと構造事務所に要望を出します。
逆に茶室は天井がかなり低く、座ると安らぎや落ち着きが感じられる空間になっています。
その他にも千利休の教えのすべての人が平等という低い入口のにじり口や、武士たちが密談のために利用するための4畳半の狭い空間、近くに池があり水のせせらぎの音を聞きながら過ごせる空間になっていたり、一つ一つに深い意味があると感じとても言い表せない気持ちになりました。
私が29歳の時設計した瑞江のOTビルは完成時、周りは区画整理の使用収益開始第一号物件で、道路だけが新しく、建物が全くなく、こんなところで共同住宅が成立するんだろうか?と不安でしたが、1年もたつと周りは建物だらけになり、すぐに街として出来上がっていきました。
「若いって、若者にはもったいないくらい素晴らしい」と高校の先生が言ってましたが、まさにその通りです。
その時、感じていたデザインを、自分を、全部ぶちまけて、理論が先行して、ポストモダンという風潮、潮流に流され、今となっては恥ずかしい。
しかし、ディテ-ルには今の自分にも負けないくらい、固執するものがあって、ガンガン迫りくる若さが伝わってくる。
その後、一之江駅周辺の建物見学しました。
株式会社ランドビジネスがプロデュースした建築群です。
共同住宅のエントランスホールには美しい中庭などヨーロッパのホテルの雰囲気を感じさせる極上のマンションです。
約25年前、トゥナイトという深夜のテレビ番組に紹介されました。
片布な土地にゴージャスなマンションを建てるのです。エントランスにはグランドピアノがありました。差別化の始まりの到来です。
東京カテドラル聖マリア大聖堂(設計:丹下健三)
丹下健三の代表作品です。
ハイパボリックシェル構造の杉板型枠を使用したコンクリート打放しが曲面状で立ち上がり上部にはトップライトから光が差し込む設計となっています。
当時の建築技術を結集してできたのでしょう。
造形的にも教会内に入ると思わず「ウワッ」と唸るような、一瞬にして吸い込まれるような感動の作品です。
言葉では伝えきれない、感じるしかない体験で全員が感無量でした。
獨協中学・獨協高校(設計:竹中工務店 赤坂喜顕)
お仕事でもデザイン面で参考にさせていただく建物です。
超越した現代建築とでもいうべきなのか。
階段の手すり、一つ一つ見ても面と線が精緻なディテールできれいに処理されていて、本物のモダンです。
かつ汚れが目立たないように、随所に工夫がされています。
今回の建物探訪は春花園 盆栽美術館から始まり50年前に建てられた教会の東京カテドラル、高級マンションなど歴史の流れを感じられるコースでした。
次回は自社設計の長屋とライトの自由学園明日館に行く予定です。
第三回目 建築視察
残念ながら私が海外出張のため、メンバーのみで行ってもらいスケッチをさせました。
今の若い人は学校でCADでしか図面を書いた経験がなく、手書きに慣れていません。
鍛えるしかありません。
当時、安給料だったので、写真のネガが高価で、今みたいに簡単に写真を現像プリントできない時代でした。
だからスケッチしかありません。
それで、目に焼き付けたものです。
「新建築」という雑誌も高価で、買えないから、紀伊国屋で1時間くらいで立ち読みし、目に焼き付けたものです。
そういうのが、今の、私の財産になっています。
日生劇場、近三ビル。ともに私の年齢以上の建物の年月になります。
ちっとも老けていません。建築デザインに老人はいないという証です。
私も若かりし日、よく行ってました。いつかこんなお仕事がしたい。
そう思っているうちに今日を迎えてしまいました。
今見ても圧倒的な迫力です。ディテールはもう今では真似できないレベルになっています。
見切り、散り際、縁を切る、ケンカさせない収め方の典型的な建物です。
先輩から教わり
利休百首の第一句
(やってみようと思う気持ちが最も大事で その自分の気持ちこそが 最後まで寄り添う師匠なのです)
そんな思いでこの道に入って、今につながっています。
第二回目 建築視察
建築視察勉強会
今渋谷の駅前が大きく変わろうとしています。